数学

二元連立方程式の解法

「解くべき2つの方程式」という問題について、数学的なアプローチで詳細に解説いたします。

まず、1つの問題として、2つの線形方程式が与えられた場合、これを解く方法について説明します。具体的な例を使い、システマティックに解法を進めていきます。

1. 方程式の設定

考えるべき問題は以下の2つの線形方程式です。

a1x+b1y=c1(1)a_1x + b_1y = c_1 \tag{1}
a2x+b2y=c2(2)a_2x + b_2y = c_2 \tag{2}

ここで、a1,b1,c1,a2,b2,c2a_1, b_1, c_1, a_2, b_2, c_2 は既知の定数であり、xxyy は求めるべき未知数です。このような2つの方程式を解くことによって、xxyy の値を求めることができます。

2. 解法の選択肢

2つの方程式を解く方法として、以下のような主な方法があります。

2.1 加減法(代入法)

加減法では、2つの方程式のどちらかを加算または減算して、1つの未知数を消去し、残りの未知数を求めます。これを以下に示す手順で進めます。

まず、方程式(1)と(2)を加算または減算して、1つの未知数を消去します。ここでは、xxを消去する例を考えます。方程式(1)と(2)の両方に含まれているxxの係数を揃えるように操作します。

例えば、次のように係数を揃えることができます。

a1x+b1y=c1(1)a_1x + b_1y = c_1 \tag{1}
a2x+b2y=c2(2)a_2x + b_2y = c_2 \tag{2}

この状態で、例えば方程式(1)をa2a_2倍、方程式(2)をa1a_1倍することで、xxの係数が揃います。その後、引き算を行い、yyを求めることができます。

2.2 代入法

代入法では、一方の方程式から1つの未知数を表現し、それを他方の方程式に代入して解を求めます。たとえば、方程式(1)からxxを解いて、それを方程式(2)に代入します。

方程式(1)からxxを解くと、

x=c1b1ya1(3)x = \frac{c_1 – b_1y}{a_1} \tag{3}

次に、この式(3)を方程式(2)に代入します。

a2(c1b1ya1)+b2y=c2a_2\left(\frac{c_1 – b_1y}{a_1}\right) + b_2y = c_2

これを解くことによって、yyを求めることができます。そして、求めたyyの値を式(3)に代入することで、xxの値も得られます。

2.3 行列を用いた解法

行列を用いる方法は、線形代数に基づく方法です。2つの線形方程式を行列形式で表現すると、次のようになります。

(a1b1a2b2)(xy)=(c1c2)\begin{pmatrix} a_1 & b_1 \\ a_2 & b_2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} c_1 \\ c_2 \end{pmatrix}

この行列方程式を解くには、行列の逆行列を用います。行列の逆行列が存在する場合、次のようにして解を得ることができます。

(xy)=(a1b1a2b2)1(c1c2)\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a_1 & b_1 \\ a_2 & b_2 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} c_1 \\ c_2 \end{pmatrix}

行列の逆行列を計算するためには、まず行列の行列式(determinant)を求め、その逆行列を計算します。

3. 解の存在と一意性

2つの線形方程式が与えられた場合、解が存在するかどうか、またその解が一意かどうかは、行列の行列式を使って判断できます。

行列式が0でない場合、解は一意で存在します。逆に、行列式が0の場合、解が無限に多くなるか、解が存在しないことになります。

3.1 行列式

行列式は次のように計算できます。

det((a1b1a2b2))=a1b2a2b1\text{det}\left(\begin{pmatrix} a_1 & b_1 \\ a_2 & b_2 \end{pmatrix}\right) = a_1b_2 – a_2b_1

もし、この行列式がゼロであれば、2つの方程式は直線的に依存していることになり、解が一意に決まらないか、解が存在しないことになります。

4. 実際の計算例

例えば、次の2つの方程式を解くとします。

2x+3y=5(1)2x + 3y = 5 \tag{1}
4xy=3(2)4x – y = 3 \tag{2}

加減法を使用して解いてみましょう。まず、方程式(1)を2倍し、方程式(2)と引き算を行います。

4x+6y=10(1’)4x + 6y = 10 \tag{1′}
4xy=3(2)4x – y = 3 \tag{2}

次に、(1′)から(2)を引き算します。

(4x+6y)(4xy)=103(4x + 6y) – (4x – y) = 10 – 3

これを計算すると、

7y=77y = 7

よって、y=1y = 1です。

次に、y=1y = 1を方程式(2)に代入します。

4x1=34x – 1 = 3

これを解くと、x=1x = 1となります。

したがって、解はx=1x = 1およびy=1y = 1です。

結論

2つの線形方程式を解く方法には、加減法、代入法、行列法の3つの主な方法があります。それぞれの方法には利点があり、問題によって最適な方法を選択することが重要です。また、解の存在や一意性についても、行列の行列式を利用することで簡単に判断できます。

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