卵巣がんは、女性において発症する可能性のある深刻な疾患で、発見が遅れることが多いため、早期の診断が重要です。卵巣がんは、卵巣に発生する悪性腫瘍で、通常、初期の段階ではほとんど症状が現れません。しかし、がんが進行するにつれて、いくつかの症状が現れることがあります。本記事では、卵巣がんの主要な症状、診断方法、治療法、そして予防の重要性について詳しく説明します。
1. 卵巣がんの初期症状
卵巣がんは、その進行具合によって異なる症状を引き起こすことがありますが、初期段階ではほとんど症状がありません。女性が定期的な健康診断を受けていない場合、がんがかなり進行するまで気づかないこともあります。初期症状としては、以下のようなものが報告されています。
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腹部の膨満感:卵巣がんの初期段階で最も一般的な症状の一つが腹部の膨満感です。これは、腫瘍が卵巣に発生し、周囲の臓器に圧力をかけることにより引き起こされます。
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食欲不振:腹部の膨満感とともに、食欲が減退することがあります。これは消化器系に影響を与えるため、食べることが難しくなったり、満腹感を感じやすくなったりします。
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体重の変動:食欲の減退や腫瘍の影響で、体重が減少または急激に増加することがあります。特に、食事を取っていないにもかかわらず体重が増えることは、腹水の蓄積が原因となることがあります。
2. 中期および進行期の症状
卵巣がんが進行するにつれて、症状はより明確になり、他の臓器に転移することによって新たな症状が現れることがあります。
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骨盤や腹部の痛み:卵巣がんが周囲の組織に広がると、骨盤や腹部に痛みを感じることがあります。この痛みは、しばしば鈍い痛みや圧迫感として感じられます。
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頻尿または排尿困難:腫瘍が膀胱を圧迫することにより、頻尿や排尿時の困難を感じることがあります。尿意を頻繁に感じたり、排尿に時間がかかったりする場合は、注意が必要です。
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便秘または下痢:腫瘍が腸を圧迫することで、便秘や下痢の症状が現れることがあります。また、腹部膨満感が強くなると、食事後に消化不良を感じることもあります。
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疲労感:進行した卵巣がんでは、体力が低下し、強い疲労感を感じることが増えます。これは、がん細胞の増殖によって体全体に負担がかかるためです。
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月経不順:卵巣がんが進行することで、月経周期に異常を来たすことがあります。特に閉経後の女性では、予期せぬ出血がある場合は注意が必要です。
3. 卵巣がんの診断方法
卵巣がんはその症状が他の疾患と似ているため、早期に診断するのが難しいことがあります。主な診断方法は以下の通りです。
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超音波検査(エコー):超音波検査は卵巣がんを発見するための最も一般的な方法であり、腹部に超音波を当てて腫瘍や異常を確認します。
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血液検査:血液検査を通じて、卵巣がんを示唆する特定のマーカー(CA-125など)の濃度を測定します。これらのマーカーは、卵巣がんが存在する場合に高くなることがありますが、必ずしも卵巣がんの存在を示すわけではありません。
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CTスキャンやMRI:がんの広がりや転移を確認するために、CTスキャンやMRIが使用されることがあります。これにより、がんが周囲の臓器にどのように影響しているかを詳しく調べることができます。
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生検:最終的には、生検(組織を取り出して検査)を行い、卵巣がんが確定することがあります。
4. 卵巣がんの治療法
卵巣がんの治療はがんの進行状況に応じて異なります。早期に発見されれば、治療の選択肢が広がりますが、進行がんでは治療が難しくなることもあります。主要な治療法は以下の通りです。
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手術:卵巣がんが早期に発見された場合、手術によって腫瘍を摘出することが最も効果的な治療法です。手術では、がんが発生している卵巣やその他の影響を受けた組織を取り除きます。
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化学療法:手術後にがんが転移している可能性がある場合、化学療法が行われます。化学療法は、がん細胞を殺すために強力な薬を使用する治療法です。
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放射線療法:放射線を使用してがん細胞を殺す方法です。卵巣がんの治療にはあまり使用されることはありませんが、進行がんに対しては有効な場合もあります。
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免疫療法:免疫療法は、がん細胞を攻撃するために免疫系を強化する治療法です。新しい治療法として注目されています。
5. 卵巣がんの予防
卵巣がんの予防は難しいですが、いくつかの方法でリスクを減らすことができるとされています。
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定期的な検診:卵巣がんは早期発見が難しいため、定期的な婦人科検診が重要です。特に家族に卵巣がんや乳がんの既往がある場合は、定期的に検診を受けることが推奨されます。
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避妊薬の使用:避妊薬を使用することが卵巣がんのリスクを減らす可能性があるとされています。避妊薬は卵巣を刺激することを防ぎ、がんのリスクを低減する効果があると言われています。
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妊娠と出産:妊娠や出産を経験することが、卵巣がんのリスクを減少させることが知られています。特に、複数回の出産を経験することが予防に繋がるとされています。
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遺伝子検査:BRCA遺伝子変異が卵巣がんのリスクを高めることが知られており、遺伝子検査によってリスクを把握することができます。高リスクと判定された場合、予防的に卵巣の摘出手術を考慮することもあります。
結論
卵巣がんは初期にはほとんど症状が現れず、進行するまで気づかれないことが多いため、定期的な検診と早期発見が非常に重要です。もし上記の症状に心当たりがある場合は、早急に医師に相談することが勧められます。また、卵巣がんは治療可能な場合も多いため、早期の対応が患者の生存率を大きく向上させます。

