血液疾患

白血球数増加の原因

白血球数が増加する原因にはさまざまな要因があり、それらは感染症や免疫系の異常、さらには他の病状と関係しています。白血球は体内で細菌やウイルス、異物から身を守る役割を担っているため、異常に増加することは、体が何らかの異常状態にあることを示しています。以下に、白血球数が増加する主な原因について詳細に説明します。

1. 感染症

白血球数が増加する最も一般的な原因は感染症です。感染症に対する免疫反応として、白血球が活発に増加します。細菌やウイルス、真菌など、体内に侵入した病原体に対して白血球が戦うためです。

(1) 細菌感染

細菌感染により白血球は主に中性球(好中球)が増加します。例えば、肺炎や尿路感染症、皮膚の膿瘍などが原因となることが多いです。細菌による感染は体内で炎症を引き起こし、それに反応して白血球が増加します。

(2) ウイルス感染

ウイルス感染では、白血球の一種であるリンパ球が増加することがよくあります。風邪やインフルエンザ、肝炎ウイルスなどがこれに該当します。ウイルスに対する免疫反応としてリンパ球が活発に増加します。

2. 免疫系の異常

免疫系の異常も白血球数の増加を引き起こす原因となります。免疫系が過剰に反応したり、自己免疫疾患が進行したりすることがあります。

(1) 自己免疫疾患

自己免疫疾患は、免疫系が自己の細胞を異物として認識し攻撃する病気です。関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、クローン病などが代表的な自己免疫疾患です。これらの疾患では、白血球が自己組織を攻撃し、その結果、白血球数が増加します。

(2) アレルギー反応

アレルギー反応も白血球数を増加させる原因となります。アレルギー反応において、特に好酸球が増加することが多いです。例えば、花粉症や喘息などのアレルギー疾患では、白血球が過剰に反応し、白血球数が増加します。

3. ストレスや身体的負荷

身体的および精神的なストレスも白血球数の増加を引き起こす可能性があります。ストレス反応により、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが分泌され、これが白血球の産生を刺激することがあります。例えば、事故後や重度の外傷を受けた後、または手術後に白血球数が増加することがあります。

4. 血液疾患

白血球の異常な増加は、血液疾患による場合もあります。特に、白血病や骨髄の異常が原因で白血球数が急激に増加することがあります。

(1) 白血病

白血病は、白血球が異常に増殖するがんの一種です。急性白血病や慢性白血病などがあり、これらの疾患では白血球の数が異常に増加します。白血病の場合、白血球は正常な免疫機能を果たすことなく、無制限に増殖します。

(2) 骨髄異常

骨髄での異常な白血球の生成が原因で白血球数が増加することがあります。多発性骨髄腫など、骨髄内での異常が白血球の過剰生成を引き起こすことがあります。

5. 薬剤の影響

薬剤の影響も白血球数の増加を引き起こすことがあります。例えば、コルチコステロイド(ステロイド薬)を使用している場合、白血球数が増加することが知られています。ステロイドは免疫抑制剤として用いられますが、長期間使用すると白血球の数が増加することがあります。

6. ホルモンの変動

ホルモンの変動も白血球数に影響を与えることがあります。特に女性では、月経周期や妊娠中のホルモン変動が白血球数に影響を与えることがあります。妊娠中には、免疫システムが変化し、白血球数が増加することがあります。

7. 慢性炎症

慢性炎症性疾患も白血球数の増加を引き起こすことがあります。例えば、潰瘍性大腸炎やクローン病、慢性肝炎などの疾患では、体内で長期間にわたる炎症反応が続き、その結果、白血球が増加します。

まとめ

白血球数が増加する原因は多岐にわたります。感染症や免疫系の異常、ストレス、薬剤の影響、ホルモン変動、血液疾患などがその代表的な原因です。白血球数の増加は体が何らかの異常反応を示しているサインであり、異常が続く場合や他の症状が現れた場合は、早期の医療機関での診断と治療が重要です。

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